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消防第二分団ねぶた会・アサヒビール

田村麿(たむらまろ) 大嶽丸(おおたけまる)()

作: 内山 龍星




伊勢国鈴鹿山に棲む鬼神・大嶽丸が暴威を振るう為、一帯は全く人通りがなく、宮中への貢ぎ物も途絶えた。

事態を重く見た朝廷は、坂上田村麿に大嶽丸討伐の勅命を下した。田村麿は、三万の大軍を率いて鈴鹿山(すずかやま)に向った。

妖術にたけた大嶽丸は、暴風雨を起こし雷鳴を轟かせ峰全体を巨大な黒雲で覆った。

更に討伐軍めがけ空から火の雨を降らせた。なす術がなく田村麿は撤退した。

神仏の加護を受けるより道はないと日夜一心に祈願を続けた。ある夜、ひとりの白髪の老人が、夢枕に立って、「大嶽丸を討つのは、容易な業ではない。討伐を望むならば、この山中に棲む、鈴鹿(すずか)御前(ごぜん)の協力を得ることだ」とつげた。

後日、険しい道を分け入ると、突然どこからか美しい女が姿を現した。

この美女こそ鈴鹿御前であった。ある夜、童子に姿を変えた大嶽丸が鈴鹿御前のもとに忍んで来た。田村麿は大嶽丸の宝剣二本を奪って迎え撃った。だまされたと気付いた大嶽丸は激怒して口から炎を吐きながら剣や鉾を雨のように降らした。そこに毘沙門天びしゃもんてん千手観音せんじゅかんのんが現れ襲いかかる剣や鉾をことごとく払い落した。田村麿が一心に祈願して矢を放つと、数千に分かれて鬼神きじんの顔面に突き刺さった。

無事、大嶽丸を討ちとり平和な世の中が戻ったという。

 


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