ねぶた師合作による"特別ねぶた"制作プロジェクト
令和2年青森ねぶた祭は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、中止することとなりました。多くのねぶた師の方がねぶたを制作することで生計を立てているため、祭りが中止となったということは大きな収入源を失ったことになります。また、大型ねぶた制作がないということは、仕事がなくなったという経済的な問題だけでなく、創作活動の場がなくなり精神的な支えを失ったということでもあります。
そこで、ねぶた師の方々に収入としての支援、そしてねぶたを制作していただく場を作るという支援を両立するクラウドファンディング企画を実施いたしました。
(支援募集期間は令和2年6月24日~8月7日)
クラウドファンディングCAMPFIREページ
https://camp-fire.jp/projects/view/295739
ねぶた師14名全員での合作“特別ねぶた”
クラウドファンディング企画で皆さまからご支援いただいた資金で、ねぶた師14名全員での合作による“特別ねぶた”を制作し、青森市文化観光交流施設「ねぶたの家ワ・ラッセ」で展示するだけでなく、青森ねぶた祭の本番で運行いたしました。
本来、ねぶたは完成した後お披露目する期間が短く、ひと夏だけの儚いものです。この“特別ねぶた”も完成後はワ・ラッセで展示、令和3年の祭り運行で終了するはずでしたが、祭りが中止となり、令和4年の今夏ようやく祭り本番での運行を果たすことができました。
ねぶた師14名全員で合作する“特別ねぶた”を制作し、運行するという未だかつてない夢の企画を実現することができたのは、ねぶた師の方々、そしてご支援いただいた皆さま方のおかげです。
“特別ねぶた”の展示
完成したねぶたは令和2年12月23日(水)にお披露目し、展示いたしました。
◆お披露目セレモニー 令和2年12月23日(水)
◆展示場所 ねぶたの家ワ・ラッセ
◆展示期間 令和2年12月23日(水)~令和4年7月27日(水)
【お披露目セレモニーの様子】
青森観光コンベンション協会・奈良会長 |
青森商工会議所・若井会頭 |
特別ねぶた 点灯! | 竹浪 比呂央さんからのお言葉も |
【完成した特別ねぶた】
(上部中央)薬師如来 (左から)招杜羅・昆羯羅・宮比羅・伐折羅 |
(上部中央)玄奘三蔵 (左から)頞儞羅・珊底羅・因達羅・波夷羅 |
(左から)伐折羅・迷企羅・安底羅・頞儞羅 |
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(左から)波夷羅・摩虎羅・真達羅・招杜羅 |
“特別ねぶた”の運行
◆青森ねぶた祭
令和4年8月2日(火)~7日(日)の6日間、先頭役員団として祭り期間毎日運行いたしました。
◆弘前ねぷた300年祭 特別運行
令和4年8月27日(土)・28日(日)、「弘前ねぷた300年祭 特別運行」に参加。
青森ねぶた祭の大型ねぶたとして初めて弘前市内を運行いたしました。
“特別ねぶた”の概要
ねぶた師一人一人が1体ずつ作ったねぶたを、1台のねぶたとして組み合わせて台上げしました。
ねぶたの題材は、薬師如来と玄奘三蔵、そして十二神将です!
「願いの灯~薬師如来・玄奘三蔵と十二神将~」解説文はこちらからご覧ください。
中央に配置された「玄奘三蔵」は第5代ねぶた名人の千葉作龍さん、「薬師如来」は第6代ねぶた名人の北村隆さんのお二人がそれぞれ制作したものです。この2体を護るように12人のねぶた師が制作した「十二神将」を配置するという構図となっています。
通常の大型ねぶたとは異なり“正面”と“送り”という概念をなくした新しいねぶたとなっており、ぐるりと360°どの角度から見てもお楽しみいただける作品です。
【下絵】
ねぶた師それぞれの下絵です。この14体の下絵が1台のねぶたになっています。
千葉 作龍「玄奘三蔵」 |
北村 隆「薬師如来」 |
北村 蓮明「宮比羅大将」 | 内山 龍星「昆羯羅大将」 |
竹浪 比呂央「因達羅大将」 | 有賀 義弘「珊底羅大将」 |
大白 我鴻「伐折羅大将」 | 京野 和鴻「招杜羅大将」 |
諏訪 慎「波夷羅大将」 | 北村 春一「頞儞羅大将」 |
北村 麻子「迷企羅大将」 | 立田 龍宝「安底羅大将」 |
手塚 茂樹「摩虎羅大将」 | 林 広海「真達羅大将」 |
ご支援いただいた皆さま
多くの皆さまが応援くださったことによって、この“特別ねぶた”は制作・運行することができました。ねぶた師の方々のために、たくさんのねぶたファンの方々、多くの企業・事業所からご支援・ご協賛をいただき、誠にありがとうございました。
また、この企画を進めるにあたりご協力いただきました、CAMPFIRE様、青森銀行様に心より感謝申し上げます。