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日本通運(株)ねぶた実行委員会

中納言伊実と腹くじり

作: 福井 祥司




 鳥羽天皇の御代-。
 中納言伊実卿は相撲と競馬が飯より好きで剛直な性格のため粗野な振る舞いが多かった。
 父の備中少将伊通公は折にふれて意見するのだがさっぱり効き目がないのである時、人呼んで腹くじりの異名を持つ評判の怪力の力士を呼んで伜の自慢の鼻をへし折ることにした。
 やがて庭前へ出た中納言と腹くじりは気合いをかけて立上がった。伊実は腹くじりの思ふ儘にさせているので、しめたとばかり腹くじりは頭を中心に捻ろうとしたとたん、伊実はやっ!とばかり目より高く差し上げて、二三遍振廻して前へどっと投げ飛ばして仕舞った。
 父の伊通公はすっかり興ざめして何も言わず奥へ入り、その後は中納言伊実に対して相撲をとることをうるさく言わなくなった。


≪ に組・東芝 2007年の大型ねぶた紹介 青森県板金工業組合 ≫
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