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JRねぶた実行プロジェクト

剣の護法

作: 竹浪 比呂央




信貴山(しぎさん)縁起(えんぎ)絵巻(えまき) 延喜(えんぎ)加持(かじ)の巻より

 

平安の世、延喜の帝は重い病に苦しんでいた。高僧たちが祈祷(きとう)しても、癒える気配がない。

そんな折、大和(奈良県)の信貴山の僧で、強大な法力で不思議な術を行う命蓮(みょうれん)に白羽の矢が立った。

勅使が参内(さんだい)を要求したが、ここにいても治せるので決して山は下りないと命蓮。

どうすれば帝の病が癒えたと分かるのかと尋ねると、「剣の護法という童子を遣わすので、夢や幻にでもその姿が見えたらそれが証拠とご承知ください。剣を編んで衣にしている護法童子です。」と答えた。

三日ほど後、夢現(ゆめうつつ)にいた帝はきらきらしたものを見た。

これが剣の護法だ、と思った矢先、気分は爽快、苦しさもなくなり、すっかり健康になった。

 

護国の聖具(せいぐ)をまとい、悪鬼に対峙する護法童子。

輪宝(りんぽう)を車輪のごとく回転させるその勇姿に、安全安心な交通網の発展を願い奉る。


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