ＮＴＴグループねぶた

天岩戸伝説

作: 北村　春一

　弟(おとうと)の荒(あら)ぶる神(かみ)、須佐之男命(すさのをのみこと)の乱暴(らんぼう)ぶりに耐(た)えかね、太陽(たいよう)の神(かみ)である天照大御神(あまてらすおおみかみ)がその身(み)を隠(かく)し、天上天下(てんじょうてんげ)の光(ひかり)は消(き)え災(わざわ)いに満(み)ちた闇夜(やみよ)の世界(せかい)が訪(おとず)れた。

　八百万(やおよろず)の神々(かみがみ)は天安河原(あまのやすがわら)に集(あつ)まり、知恵(ちえ)の神(かみ)、思金神(おもいかねのかみ)の名案(めいあん)により天照大御神(あまてらすおおみかみ)を天岩戸(あまのいわと)から呼(よ)び戻(もど)す作戦(さくせん)を立(た)てることになる。

　天細女命(あめのうずめのみこと)が踊(おど)り出(だ)すと神々(かみがみ)は大笑(おおわら)いし、何事(なにごと)かと岩戸(いわと)を少(すこ)し開(あ)け外(そと)の様子(ようす)を窺(うかが)うと、布刀玉命(ふとだまのみこと)が八咫鏡(やたのかがみ)を差出(さしだ)す。

　鏡(かがみ)に写(うつ)る目映(まばゆ)い光(ひかり)が自分(じぶん)の姿(すがた)とも知(し)らず身(み)を乗(の)り出(だ)した時(とき)、力(ちから)自慢(じまん)の天手力男神(あめのたぢからおのかみ)が入(い)り口(ぐち)を塞(ふさ)いでいた岩(いわ)の戸(と)を投(な)げ飛(と)ばした。

　こうして世界(せかい)は光(ひかり)を取(と)り戻(もど)し平和(へいわ)が訪(おとず)れたのである。

　神話(しんわ)の中(なか)で描(えが)かれている「天岩戸伝説(あまのいわとでんせつ)」は、謎(なぞ)が多(おお)く諸説(しょせつ)あるが、世(よ)の平和(へいわ)を望(のぞ)む人々(ひとびと)の思(おも)いは古代(こだい)も現代(げんだい)も同(おな)じである。

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