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(公社)青森青年会議所

雲漢

作: 立田 龍宝




 五節句の一つである七夕は、陰暦七月七日の夜に牽牛星と織女星が雲漢(天の川)に架けられた橋で、年に一度逢うことが許される中国の伝説である。日本で は奈良時代に官中の儀式として始まり、後に全国において、笹に歌や文字を書いた五色の短冊を付けて飾る形式となる。東北地方において眠り流し行事が盛大に 行われており、その一つが青森ねぶた祭である。
 このねぶたは、天が牽牛と織女に対し、世の中を懸命に生き抜くための厳しい試練を与え、一年に一度再会できる事を願い続け乗り越えようとする二人の間 に、流れ星のように割り込んでくる流星が二人を導いていく場面である。そこでは流星が、出逢う全ての人との繋がりや絆を深めさせるため、家族の在り方、友 情の在り方、地域社会の在り方、人生の在り方などを二人に諭すように伝え導くのであった。その日がいかに大切であるか流星が示し、牽牛と織女は感謝する心 を忘れることなく、来年また逢えることを約束し願い続けるのである。
 一年に一度開催される青森ねぶた祭もまた長きにわたり、団体、地域、制作者、観光客、全ての人達が祭りの魅力に集結し、人との繋がりを作り、祭りを通じ て築いてきた絆を深めている。これまでこの地域で受け継がれてきた魂と、未来へ受け繋いでいくアイデンティティである青森ねぶた祭を誇りに思い、明るい豊 かな社会の実現に向け願いを込めたねぶたである。


≪ サンロード青森 2014年の大型ねぶた紹介 日本通運ねぶた実行委員会 ≫
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