日立連合ねぶた委員会
于吉仙人、小覇王を倒す
作: 北村 蓮明
于吉は中国後漢末期の道士で、護符や神水によるまじないで病気を治し、多くの信者を得ていた。
一方、孫策はわずか五年で呉の基を築いた天才軍略家で、覇王項羽にならって、小覇王と讃えられていた。
ある日、城下に現れた于吉仙人を拝みたいと、領民はじめ文武諸官まで出かけたのを知った孫策は、その人気に腹を立て、人心を惑わす邪教だとして、于吉を咎め捕まえさせる。
信者たちの助命嘆願にも耳を貸さず、「雨を降らせることができたら命を助けてやる」と言って于吉に祈祷させるのだがさて、雨が降ると持ち前の気の強さと短気でますます怒り、結局は殺してしまったのである。
その夜から孫策は于吉の幻影に悩まされ、病が悪化し二十六歳の若さでこの世を去ってしまう。
弟の孫権はその後君主となり五十年に渡り呉を治めた。
ねぶたは于吉仙人の幻影に孫策が立ち向かっている場面。