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(社)青森青年会議所

八之太郎と南祖坊

作: 内山 龍星




 今から約一千年昔、修験行者南祖坊が全国行脚の途中、紀州熊野権現に出たところ、夢に鮭の権現が現れ、
『汝に鉄の草鞋を与える。この鼻緒が切れた所を住居とせよ。』
というお告げがあった。目覚めた南祖坊の傍らには、鉄の草鞋があり、それを履き、南祖坊は全国行脚を続けた。
十和田湖のほとりに辿り着いた時、草鞋の鼻緒が切れ、南祖坊はお告げ通り、その地を住居とすべく、堂を立て権現をまつり、二十一日間の断食苦行に入って大 願成就の暁には十和田湖の主になろうとした。ところが十和田湖の古くからの主であった八之太郎は大いに怒り、七日七晩の激しい闘いに挑んできた。
勝負はつかず、最期に龍神となった八之太郎は、雷鳴豪雨、波風を起こした。南祖坊はあわてず経文を唱えた。その一字一字が毒針となって八之太郎を突き刺し、八之太郎は秋田八郎潟に敗れ去った。南祖坊は入水し永久に十和田湖の主となったのである。
現在、南祖坊がたてた堂がある十和田神社は今も農耕や漁業の神様として信仰をあつめている。


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