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青森市役所ねぶた実行委員会

光芒一閃 炎の面

作: 穐元 和生




 夜明け前の僅かな静寂をつき、無心で筆を走らせる一人のねぶた師。
溢れる情熱と魂の全てを人形に注ぎ込み、全神経を集中させるその男の姿は、まさに武者そのものである。
巨大な面は、男の手により次第に生気が宿り、やがて炎のごとく闇夜に浮かび上がる。 眼には光が帯び、大きく見開き鋭く虚空を睨む「雷神」となる。
男の分身ともいえるその「雷神」のねぶたは、注がれた魂に従うかのように、闇を裂き、大地を揺るがし、七日間暴れ周る。 そして、北国の束の間の夏とともに、その短い一生に幕を閉じる。
このねぶたは自身の人生の全てを捧げ、数多くの勇壮で迫力のある「ねぶた」を世に送り出し、今年一月にこの世を去った、 不世出のねぶた師穐元 鴻生氏の制作の姿を表したものである。
 

※光芒一閃= 白刃がひらめく、電光がきらめくさま。転じて英雄の華々しくも短いあっという間の人生。

 


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