青森県板金工業組合
不動と龍王
作: 北村 明
不動明王は「心の中の悪へ怒りを向けて諫める」と言う、明王の功徳を最もよく表している仏である。
怒りの顔に鋭い剣を持つ勇猛な姿をしているが、本当の怒りは人間の心の汚れに向けられている。
一方、龍王は水中に住み、雲を呼び雨を降らす力を持つと信じられ、釈尊の説法を聞きに来た八大龍王は、釈迦如来の待者となっている。
一夜明けたら、世の中がすっかり変わっていたとしても不思議でない現代。
どこか違う、何かが狂っている。
人間の心に不動明王と龍王が、怒りの顔で問いかけている。
観る人、一人ひとりが何かを感じてほしい。