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県庁ねぶた実行委員会

五条大橋

作: 穐元 鴻生




 怪憎・武蔵坊弁慶は、太刀一千本刈りの宿願を果たすべく、夜な夜な京の都の辻々で、侍たちから刀を奪い取っていた。
 ある夜更け、弁慶が五条大橋に差し掛かると、何処からともなく、優しい横笛の音色が流れてきた。不審に思う弁慶の眼前に、白綾の被衣(かづき)で顔を覆 う小柄な男が現れた。その男の腰に配した黄金作りの太刀を見るや、弁慶は一千本目の太刀に相応しいと、長刀(なぎなた)を斬り上げ奪い取ろうとするが、男 は身のこなしも軽やかに欄干を飛び渡り、弁慶の攻撃を燕のような早業で受け流す。翻弄された弁慶は、勢い余って欄干にぶつかり、あざやかに廻転し、水しぶ きをあげて鴨川に転落した。果たしてこの男こそは、悲運の英雄として後世に名を残す、後の源久郎判官義経(みなもとのくろうほうがんよしつね)、牛若丸で あった。

 このねぶたは、弁慶が生涯にわたり義経に忠節を尽くす機縁となった、主従二人の一騎打ちの場面である。


≪ ねぶた愛好会 2004年の大型ねぶた紹介 青森マルハ侫武多会 ≫
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