サンロード青森

鈴鹿山の鬼神伝説[すずかやまのきじんでんせつ]

作: 吉町 勇樹



桓武天皇の時代、伊勢国鈴鹿山に大嶽丸[おおだけまる]という鬼神が峠を往来する民を襲い、恐れられていた。大嶽丸討伐の勅命を受けた坂上田村麻呂は三万騎の軍を率いて鈴鹿山に向かうも、大嶽丸が繰り出す幾多の神通力の前に苦戦を強いられてしまう。

 

そこで、田村麻呂は神仏に祈願したところ、夢の中に老翁が現れ、「大嶽丸を討つには鈴鹿御前の助力を得よ」と告(つ)げられる。

 

田村麻呂は全軍を都へ帰し、たった一人鈴鹿山を進むと、まだ十六歳ほどの見目麗しい女が現れ、「私は、大嶽丸を討伐する貴方を助けるために天下りました」と言った。この女こそが鈴鹿御前であった。

 

その後、姿を現した大嶽丸と、待ち構えていた田村麻呂は激戦を繰り広げる。大嶽丸は氷の如き剣を何百も投げつけたり、数千もの鬼に分身するなど様々な神通力をもって抵抗するも、最後は田村麻呂のソハヤノツルギによって首を落とされた。その後、鈴鹿山には平穏が戻り、田村麻呂と鈴鹿御前は夫婦として暮らしたという。

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