青森自衛隊ねぶた協賛会

守護の風 志那都比古[しゅごのかぜ しなつひこ]

作: 小財 龍玄



鎌倉時代中期、「蒼き狼」チンギス・カアンの孫であるモンゴル帝国第5代皇帝クビライは、大船団を日本へ派遣し、その征服を試みた。世にいう「蒙古襲来」である。

 

元の大軍は、対馬、壱岐を瞬く間に蹂躙して博多湾へと姿を現す。これに立ち向かうため、鎌倉幕府は御家人を大宰府に集結させ、上陸する元軍を迎え撃つ。肥後の御家人竹崎季長などの鎌倉武士は、元軍の集団戦法や火薬を用いた武器に苦戦を強いられつつも、粘り強く戦い、敵将を射倒すなど、頑強に抵抗する。

 

日没を機に元軍は船団へと引き揚げるが、その夜大嵐が到来し、荒れ狂う風に海は沸き立ち、大船団は次々と沈没し、退散を余儀なくされる。この「神風」を吹かせたと云われる神こそ、「志那都比古」である。

 

ねぶたは、本来無病息災を願う祭りである。五穀豊穣、風水害除け、航海・航空安全、そして国土の安寧を司る神である「志那都比古」が神風を吹かせ、元の大軍を相手に奮戦する鎌倉武士を助けて我が国を守り抜いた場面をねぶたの題材とし、迫り来る脅威に立ち向かい、地域そして国民の安全・安心と平和な暮らしを守る自衛隊の姿と重ね合わせたものである。

 

紛争の発生によって、不安定かつ不透明なものとなっている国際情勢、頻発する自然災害、物価の高騰などにより、難局の時代を迎えている今日。鎌倉武士の奮闘と志那都比古の加護によって、先人が危機を克服したように、私たちがこの難局を乗り越えるとともに、世界の風廻りが良くなり、ここ青森の地に安寧と豊かな恵みがもたらされることを切に願う。

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