に組・東芝

空飛ぶ権現様と火消

作: 北村 隆




獅子舞(ししまい)の頭をもっと大きくし、頭の後ろに大きな布をつけその中に大人の人が何人か入って、おおきな口をパクパクさせながら練り歩くのが権現(ごんげん)(さま)である。

権現様は人々を病気や災難(さいなん)から救ってくれる神様である。

 

むかし、上北(かみきた)地方(ちほう)横浜(よこはま)吹越村(ふっこしむら)のお宮に、大きくてりっぱな権現様が祀られていた。

この吹越の権現様は、火事から村を守ってくれるという話であった。

火事があると、この権現様は空を飛んで火事場へ行き、火を消し止めるという。

そして吹越の権現様が火事を消しているところを見たという人が何人もいたという。

横浜に伝わる空飛ぶ権現様の話である。

 

火事の多かった江戸時代中期に町火消しが制度化され江戸の火消しの中核を担うようになっていった。町火消しの伊達男は羨望(せんぼう)の的であった。

それが現代の消防の始まりである。

 

すべてを焼き尽くしてしまう火事は今も昔も大変な災難であることに変わりはありません。

糸魚川大規模火災にあわれた皆様には心からお見舞い申し上げます。


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