に組・東芝

纏と唐獅子牡丹

作: 北村 隆




地震(じしん)とともに火事(かじ)は最も(おそ)ろしい災害(さいがい)である。

享保(きょうほう)四年1719年 大岡(おおおか)越前(えちぜん)(のかみ)(ただ)(すけ)の名により「いろは四十八組」制度ができた。

火事(かじ)装束(しょうぞく)はまさに火消しの「(いさ)み」「気負(きお)い」の象徴(しょうちょう)ともいい纏のもとに総力を結集して消火作業を行い纏が火を消したとまで言われた。

火事場に命を懸けた火消したちを描き「意気地(いくじ)(いき)」の庶民(しょみん)文化(ぶんか)を高らかに(うた)いあげたものであり、颯爽(さっそう)たる「男伊達(おとこだて)」に象徴される。

のちに纏も悪霊(あくりょう)邪気(じゃき)を払うものとしてつかわれはじめた。

百花(ひゃっか)の王」と言われる牡丹の下で身を守る唐獅子もまた「百獣(ひゃくじゅう)の王」と言われており獅子頭(ししがしら)には強い霊力があり悪い気を食べてくれるという。

 

纏と唐獅子 ふたつの邪気を払うという力を表現した。


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