(社)青森青年会議所
田村麿 大獄丸を討つ
作: 内山 龍星
伊勢の国鈴鹿山は、昔から鬼が棲息しているという伝承があった。山に棲む鬼人大獄丸(おおだけまる)が暴威を振るうために、一帯は人通りがなくなった。
事態を重く見た朝廷は、坂上田村麿に討伐の勅命を下した。しかし、妖術にたけた大獄丸は雷鳴を轟かせ、峰全体を黒雲で覆った。なす術がなく、田村麻呂は 軍勢を京都に引きあげさせ、ひとり鈴鹿山に入り、大獄丸を迎え撃った。分身の術を使って数千の鬼と化し、激しく抵抗したが、田村麿の投げた霊剣に倒れ首を はねられた。
しかし、霊が一本の剣に宿ってふたたび甦るのである。天竺から日本に立ち戻り、陸奥国、青森の霧山が岳に難攻不落の城を建て悪行を繰り返した。田村麿は 再度死闘をくり広げ斬り落とした。大獄丸の首は、空中高く舞い上がり、田村麿の兜に噛み付いて死んだ。その後中世における三大妖怪のひとりに挙げられる強 大な鬼神として伝えられている。
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