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楽器紹介 太鼓

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ねぶた期間中、青森の夏の夜空に響き渡るチカラ強い太鼓の音。祭りの最後まで揃って同じ調子で叩き続けるには体力と熟練が必要とされ、勇み肌をみせる『ねぶたの鉄人』たちの独壇場となる。

 

太鼓はいわゆる「締め太鼓」であり、「鋲打ち太鼓」は使用しない。

締め太鼓の胴部(ドウガラ)は板を円形に組み合わせて作る底のない桶のような形状で、両側には主に牛皮(馬皮もある)を張った丸鋼の枠(タガ)を装着し、麻太紐(しらべ)で締める構造でその締め方の強弱、径の大きさ、革の厚さ、天候で音の高低強弱が違う。

太鼓は太鼓職人が、胴部は桶職人の製作になる。

太鼓の種類は大太鼓・中太鼓(コロバシダイコ)・小太鼓(ツケダイコ)などである。ちなみに太鼓の数え方は1ガラ、2ガラ…

 

胴(どう)

音響的には共鳴室の役割を持ち、内側にはひらひらしたカンナの削りかけが全面に無数に貼りついている状態で、これら響きを良くする様々な工夫が施されて音響が良くなるのだという。くりぬき太鼓(木をくり貫いて作った太鼓)の胴は、欅(ケヤキ)、タモ、栓(セン)などが使われるが、その硬さと木目の美しさから、欅が良いとされている。他にも、桜・樫・栃・楢などもある。太い木材を得ることが難しくなった昨今では、輸入木材も多い。

近年は製法技術も進歩し、「くりぬき」以外でも、「寄せ木」のものとか、「集成材・圧縮材」「樹脂で固める」「ロープで固める」などの他にも「アルミ」の胴もある。桶胴の材質は、杉・サワラなどが多く使われる、他には檜なども。

なお、寄せ木や集成材・圧縮材などの場合、和太鼓の奏法にあった強度があって、革の張り替えができるものなら何の問題も無い。

 

しらべ(調べ)

太鼓を締める、麻のロープのこと。あるいは、麻ロープで締められた「締め太鼓」のこと。

 

桴(ばち)の材質は、檜・桜・朴・ブナ・楢・楓・樫・桐…あげたらきりがない。

ねぶた囃子には「とよし・とう」いずれも多くは輸入品が使われている。

要するに、堅さや重さが適当で、ささくれが出来にくいような木材が使われている。

とよし・とう 1.5cm以上の太さで竹に似たような節がある、1.3m位の長さで売られている。
ヒノキ 軽くて柔らかさがあり、締め太鼓用の桴や、大太鼓・中太鼓用の太桴に良く使われるようだ。
サクラ 堅さがあるが少し重く、中太鼓用桴などに使ったりする。
ホオ サクラより軽いので、初めて使う人にはお手頃な桴である。
カエデ・ナラ・ブナ 多用途。いろんな桴に使われているようだ。
キリ

非常に軽い。

テンポの速い曲用の太桴に、八丈島太鼓では「ムラサキシキブ」という木を使うらしい。

 

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